claspとは何か?
claspとは、GAS(Google Apps Script)を手元のPC(ローカル環境)で開発できるようにするためのソフトウエアです。
よく、GASのメリットの1つとして、環境構築をしないでもWEBブラウザだけで、すぐにプログラムが組めるという点が挙げられます。一方で、claspを使うためには、環境構築が必要になるため、このメリットは消えてしまいます。
でも、claspを使うと、それを上回るメリットがあります。
clasp環境だと自動入力補完が強力
GAS初心者にとって一番のメリットは、自動入力補完がよく効くことです。
GASのWEBエディタだと、入力補完がなかなか効かないので、構文をある程度正確に覚えておく必要があります。たとえば、GAS(JavaScript)は、命令文の大文字・小文字が違うとエラーの原因となります。ですから、どこを大文字・小文字にすればいいかを覚えておく必要があります。
claspを使えば、プログラムを入力する過程でほぼすべての命令文に対して入力候補一覧が表示されます。また、万一、入力間違いがあっても、自動的に違っている箇所を表示してくれます。ですから、大文字・小文字の別などを覚えておく必要がなくなります。
同じように、関数(Function)を使うときの引数・戻り値(≒使い方)も、自動で表示してくれます。細かいことを覚えておかないでも、ある程度概略をつかんでおけば、スムーズにプログラムを組んでいくことができます。
エディタの操作性が良い
GASのWEBエディタは、手元のPCで動かすエディタに比べると、どうしても機能が貧弱です。
使いやすいエディタを使うと、作業効率は何倍にも上がります。
たとえば、私は「Visual Studio Code」(=VSCode)というマイクロソフト社製の無料エディタを使っています。とても、使いやすく、プログラムの作成効率が何倍にも上がるのでとてもおすすめです。
clasp環境を構築するために必要なもの
clasp環境を構築するためには、最低限、次のものが必要です。
- Node.js
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JavaScriptというGASの元になっているプログラミング言語を使うための環境です。claspはNode.jsで動作するプログラムなので、まずは、これをインストールする必要があります。
- Visual Studio Code
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GASのプログラムを書くエディタです。このエディタを使うと、先ほど書いたGASのプログラムの自動補完ができるようになります。こだわりがなければ、このエディタを入れましょう。
- clasp
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GASの開発を手元のPCで行うためのプログラム本体です。Node.jsをインストール後、Node.js製の汎用プログラムを広く配布する仕組み(npm)を使って、インストールします。
それぞれのプログラムのインストール方法は、次のページで解説していきます。